新聞の記事の枠線がゆがんで見える、顔の中心がどこか暗い、字を読むと真ん中が抜けて見える。 年のせいだろうと様子を見ているうちに、見え方が変わっていくことがあります。 こうした症状の背景には加齢黄斑変性が関係していることがあり、片目の変化は反対の目が補うため、本人が気づきにくい特徴があります。 このページでは、加齢黄斑変性の特徴と受診の目安をご案内します。
加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑に変化が起こり、中心視力(ものの中心を見る視力)に影響する病気です。 網膜は目の奥で光を受け取る組織で、黄斑はその中でも細かいものや文字を見分け、色を認識する働きに関係する部分です。 黄斑は、文字を読む、人の顔を見分けるなど、細かいものを正面で見る働きに深く関わります。 そのため、周辺が見えていても中心の見え方に変化があると、読書や運転などに影響することがあります。
進行の仕方により、網膜の細胞がゆっくり萎縮する「萎縮型」と、新生血管と呼ばれる異常な血管が関係する「新生血管型」に分けられます。 新生血管型は、液体や出血が漏れて比較的短い期間で見え方が変わることがあります。 萎縮型は年単位でゆっくり進むことがあります。 タイプや進行の程度によって対応が変わるため、見え方だけで自己判断しないことが大切です。

黄斑に変化が起こると、文字や顔など中心を見る働きに影響することがあります。
主な症状
直線がゆがんで見える、ものの中心が暗く見える、中心が欠けて見える、視力が下がる、色がわかりにくいなどの症状があります。 新聞やスマートフォンの文字、人の顔の中心が見えにくくなることもあります。 読書中に文字の一部が抜けて見える、色の見え方が変わった、左右で見え方が違うなども、受診時に伝えると診察の参考になります。
片目の変化を反対の目が補うため、両目で生活していると変化に気づきにくいことがあります。 時々片目ずつ、同じ距離で見え方を確認すると、変化に気づくきっかけになります。 自宅で確認する場合は、格子状の線を片目ずつ見て、線がゆがんだり中心が欠けたりしていないかを確かめる方法があります。 この確認は受診のきっかけをつくるためのもので、診断の代わりにはなりません。
ゆがみや中心の暗さに気づいた場合は、見え方が戻るか様子を見続けず、眼科へご相談ください。

直線のゆがみや中心の暗さは、片目ずつ確認すると気づきやすい場合があります。
原因・なりやすい人
主な背景は年齢です。 そのほか、喫煙や家族歴などが発症に関係する場合があります。
これらは確認材料であって、あるから発症する、またはないから発症しないと決めつけることはできません。 喫煙している方や家族歴がある方は、見え方の変化を放置せず、検査の必要性を医師にご相談ください。 生活習慣や全身の状態について気になることがある場合も、自己判断で対策を決めず、現在の薬や健康状態と合わせて診察時にお伝えください。

年齢を背景に、喫煙、家族歴、全身状態などが関係する場合があります。
検査と診断
視力検査、眼底検査、眼底写真、OCT(網膜の断面を撮影する検査)などで黄斑の状態を確認します。 OCTでは、黄斑のむくみや網膜の構造変化を確認し、検査結果を時間をおいて比較することがあります。 これらの検査を組み合わせることで、黄斑の構造、出血やむくみ、新生血管の有無などを確認し、病気の活動性を評価します。
必要に応じて、造影剤を使う検査など、専門医療機関で追加検査が検討されることがあります。 ゆがみや中心の見えにくさがいつから、どちらの目にあるか、読書や運転にどの程度影響しているかを伝えると、診察の参考になります。
散瞳検査の後は一時的にまぶしくなったり、近くが見えにくくなったりすることがあるため、車の運転などについて受診時に確認してください。 散瞳検査や追加検査の予定がある場合の注意点、当院での検査の実施可否は、受診前にご確認ください。

視力、眼底、写真、OCTなどを組み合わせ、必要時に追加検査を検討します。
治療方法
病型や進行の程度によって、経過観察、生活上の助言、薬剤を使った治療など、対応の考え方が異なります。 新生血管が関係するタイプでは、眼内注射などが検討されることがあります。 治療の種類、間隔、適応は目の状態によって変わります。
治療は一度で終わらず、状態に応じて継続的な経過観察や治療が必要になる場合があります。 治療後も見え方や検査結果を確認しながら、次の受診時期や治療の必要性を判断していくことになります。
ここで挙げた治療は一般的な選択肢であり、米澤外科内科で行っていることを示すものではありません。 必要な場合の紹介先や専門治療の選択肢は、患者さまのご希望を聞きながら検討し、診察時にご案内します。

経過観察や薬剤治療など、病型と目の状態に応じて選択肢を検討します。
放置した場合の注意点
新生血管型では、液体や出血が漏れることで、見え方が比較的短い期間で変わることがあります。 黄斑はものの中心を見る働きを担うため、変化が進むと読書や運転などに影響が及ぶことがあります。
萎縮型は年単位でゆっくり進むことがあります。 進み方がゆっくりでも、黄斑の変化は見え方だけでは判断できません。 直線のゆがみや中心の見えにくさは、様子を見続ける前に、一度検査で確認したい変化です。
受診を検討する目安
直線がゆがむ、ものの中心が暗い、片目だけ見えにくい、視力が変わったという場合は、早めに眼科で確認してください。 50歳以上の方や、家族に加齢黄斑変性がある方は、時々片目ずつ見え方を確認し、変化があれば受診の際に伝えてください。
急な視力低下、急な視野欠損、強い目の痛み、頭痛や吐き気を伴う症状は、別の緊急性のある病気の可能性もあります。 通常の受診を待たず、診療時間内であれば電話で受診方法を確認してください。

ゆがみや中心の暗さ、急な視力低下は、早めに眼科へ相談します。
よくある質問
ゆがみは自宅で確認できますか?
格子状の線を用意して、片目ずつ見る方法があります。 同じ距離で、線がゆがんで見えたり中心が欠けて見えたりしていないかを確かめるやり方です。 この確認は受診のきっかけをつくるためのもので、診断の代わりにはなりません。
どうして片目ずつ確認するのですか?
片目の変化を反対の目が補うため、両目で生活していると変化に気づきにくいことがあります。 時々片目ずつ、同じ距離で見え方を確認すると、変化に気づくきっかけになります。
治療は一度で終わりますか?
新生血管が関係するタイプでは、状態に応じて継続的な経過観察や治療が必要になる場合があります。 治療後も見え方や検査結果を確認しながら、次の受診時期や治療の必要性を判断していきます。
治療を続ける期間は決まっていますか?
治療の種類、間隔、適応は目の状態によって変わるため、あらかじめ期間が決まっているわけではありません。 進み具合に応じて、経過観察を続けるか治療を続けるかを、そのつど確認して決めていきます。
米澤外科内科で行っている診療
米澤外科内科では、眼科検査、診断、経過観察、必要時の治療相談を行っています。 見え方の変化が気になり始めた段階から、診断後の経過観察まで、同じ眼科で相談を続けられます。
診断のあとで専門治療が必要になった場合は、紹介・連携の検討を患者さまのご希望を聞きながら行い、診察時にご案内します。
受診案内
眼科は予約の必要はありません。診療時間・休診日をご確認のうえ、直接ご来院いただけます。
受診の前に相談したいことや、担当医の曜日を確認したい方は、医師紹介をご覧いただき、米澤外科内科へお電話ください。 電話では、いつから、どちらの目に、ゆがみや中心の暗さ、視力の低下のどれがあるかを伝えてください。